2014年8月23日土曜日

小泉の力が夜空にはじけた!花火大会

8月15日の朝9時。小泉小学校の駐車場に行くと、すでにたくさんの人が
集まっていました。
「花火大会実行委員」「小泉Coolな親父の会」や「小泉地区の明日を考える会」の
みなさん。
この気仙沼市小泉地区に暮らし、地域を支える方たちが、昨年、10年ぶりに
復活させた花火大会が今夜あるのです。
雨が心配な灰色の空ですが、お祭りの準備を始めます。
 
軽トラであらわれた男性は、駐車場の真ん中で重そうな単管などを手に、
盆踊りの“やぐら”を組み立てました。
その手際の良さ、かっこよさに、ほれぼれ。
花火の打ち上げ現場である、津谷川−通称・小泉川そばに草刈りに行った人たちも
います。
それから、お祭りに欠かせない“提灯”をつり下げて、“やぐら”に飾り付けます。
あーでもない、こーしたらどう、と、地元の方と他所からやってきた人が、
力と知恵とを合わせて、準備しました。
 
準備がひととおり終わると、お昼過ぎまで解散。
くりの木ひろばの手づくりあずまやで、お昼寝。
短い時間だけど、蝉の声を子守唄に熟睡。
おしゃべりしたり、くりの木ひろばらしく、思い思いに過ごしました。
 
 
休憩を終えて、再度小学校駐車場に集合すると、「親父の会」の新しい楽天カラーの
Tシャツに袖を通した「おやじ」さんたちが、すでに盛り上がっていました。
(昨年は黒。今年は中学時代のジャージカラーで作ったそうです♪)
外から来た私たちも同じTシャツを着て、「おやじ」の仲間入り。
 
雨はなかなか止みそうにないですが、「金魚」がやってきて、また場が盛り上がります。
準備と称して、お祭りスタッフみんなで、フライングゲット☆金魚すくいの図。
 
夕方になると、花火大会実行委員の皆さんが集合して、花火の打ち上げ現場や
駐車場整理に、向かいました。
お祭りはこうした蔭で支える人たちあってこそなんだなと、準備段階から参加して
あらためて思いました。
 
お祭りの時間になると雨脚はより強くなってきました。
それでも、会場には、女の子のグループや親子など祭り客が姿を現しました。
私自身は小泉地区のお祭りに、2年前の「くりの木まつり」以来の参加でしたが、
見覚えのある子どもたちもちらほら。
ある少年には「私は君を知っている!」と、ちょっと怪しい人っぽく声をかけて
しまいました。
 
 
その少年や地元のダンス好き女子高生たちは、祭りのメインイベントのひとつ
「盆踊りタイム」?で、踊りの分からない私たちよそ者の大人をリードして、
ジンギスカン」や「はまらいんや」を踊ってくれました。
運動不足で足元も覚束なく、息切れしまくりの私でしたが、そんな恥ずかしさも
吹き飛ぶくらい、地元の高校生たちと踊るダンスは楽しかったです。
 
 もう一人、2年前の「くりの木まつり」で会って、覚えていた人がいます。
その人は今年、花火に目もくれず、気仙沼ホルモン焼きそばを作るべく、
鉄板と格闘していました。

聞けば、震災後にこの焼きそばを始めた、と言います。
そのとき突き動かされた、その思いが今こうして続いて、小泉のひとつの名物に
なっている。
しかも、めちゃくちゃ美味い。
3年前初めて、ボランティアに参加して初めて来たのが小泉でした。
そのときの私は、被災した人になんて声をかけていいのか分からず、
なるべく人と交流しない活動を選んでいました。
それでも、次第に地元の人と接する機会が重なってきて、今は一緒に踊ったり
お酒を飲んだり、お話ししたりしていることを不思議に思います。
その不思議を解き明かす言葉を私はまだ持っていないので、代わりに、
焼きそばを“おかわり”しちゃいました。
 
花火の時間になるとどんどん人が増えてきました。
駐車場のフェンスに大型バスも乗り付けて、介護施設の方たちも見学に見えました。
花火の打ち上げが始まりました。
大きなおおきな花火です。
私もこの夏何度か花火に遭遇することはありましたが、こんなにみんなが
花火そのものを楽しんでいる場はありませんでした。
元気な小学生の女の子が花火に感動して、まわりを盛り上げようとしていたのが
おかしかったです。
そして最後の花火が上がると、わーっと自然に拍手がおこりました。
 
気がつくと、初めはまばらだったお客さんも、たくさんになって、金魚すくいや
クレープ屋さんは人垣ができていました。
 
5月に東京で開かれた報告会「4年目のRQ。いまも続く活動とHelp!」で、
くりの木ひろばのゆっこさんから、この花火大会のことを聞きました。
まだそのときは夏休みがとれるかどうか分からなかったけれど、行ってみたいな、
と思ってスケジュール帳に書き留めていました。
参加して私にお手伝いできることがあるのだろうか、という不安もありましたが、
それ以上に、2年前に会った子どもたち、大人の人たちとの再会や交流を楽しめて、
さらに小泉の祭りを作り上げる地元の人たちの熱意に、この町のずっと続いてきた
魅力を見た気がします。
と、小泉に抱く不思議な気持ちを言い表す言葉を私はまだ知らないので
きっとまた“おかわり”する・・のかな?
そのときは“はまらいんや”をちゃんと踊りたいですね。
最後に、いろいろお世話になり親切にしてくださった地元の皆さん、ありがとうございました。
 
by いのっち

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